輪島市長選 公開討論会の内容

2月22日19時より輪島市長選挙の公開討論会が輪島青年会議所様主催で行われました。

その動画を輪島青年会議所様が公開しております。
https://youtu.be/e0vAGNWqTYg

動画の内容を、聴覚に障害がある人でもわかるよう文字にしました。

内容は、公平性を損なわないため、編集は一切行っていません。
もし、聞き取りミスや文字の間違いなどがありましたら、お知らせください。

主催者の今回の公開討論会の目的は、
「多くの市民の方に市長候補の政策を知ってもらい、政策本位の投票行動に出て欲しい」ということのようです。
積極的に広めていただけるようお願いいたします。

目次

  1. 自己紹介
  2. 経済・雇用について
  3. 福祉・教育について
  4. 地域資源の活用について
  5. 最後に自由発言

以下、公開討論会の内容です。

(梶)
梶文秋と申します。今回はJCの皆様にこのような機会を作っていただきまして誠にありがとうございます。
私は先ほど紹介をされた通りでありますけれども、まあその父親がですね35歳で半身不随であったこと、それから半身不随になってから結婚をして子供を6人授かりということでありましたが、その4番目の子供として生を受け、そしてできるだけ早く独立をしなければ、というそんな思いで、大阪にある民間の会社に勤めたところであります。

まあずっと全体としては経理そういう仕事が多かったわけでありますけれども、
たまたま二十歳の時に肺結核という大きな病気をいたしました。
まあそのことから急遽入院を余儀なくされまして療養生活が始まりました。
まあ病院に入ってからは、ほぼ毎日、喀血、血を吐いて生活をしながら仲間の人達に色々と助けられつつも療養生活を続けておりましたが、少し元気になってから仲間の人達の苦労もよくわかりましたし、入院期間中に何人も療友が喀血をしてなくなるという姿を見てまいりましたので、少しでもそんな人たちのために、ということで病院の中でできる患者療友会の仕事をさせていただきながら、そこで1年半入院生活を行って退院してから、市役所に試験があって入ったということでありました。

しかし市役所に入ってみるとですねなかなか自分の思った通りに社会は動かないというジレンマは感じておりましたので42歳で退職をして、それから市会議員を目指して、市会議員を7年9か月務めてから、市長選を目指すということで、49歳で初めて輪島市長になってから、もう既に20年という長い時間が経つことになりました。

この長い20年の期間の中で、もうやらなければならない仕事は数々ありました。
まだその今のこんな近代社会の中で水道がすべての地域にいきわたっていない。
これはもうとにかく生活に欠かすことのできない水道事業というのを市内全域に拡大をしたいということでいろんなところに新たに水道を敷設をしてそして今日に至っております。

そういうその水を全体に引くということは自分の政治の大事な要であるということが一つ、それから、福祉や教育、そういった問題はとりわけ未来をつくるために必要なことであるということで色々と取り組んでまいりました。
保育所は旧輪島の保育所はすべて新しい施設に建て替えをして保育環境を良くしようということもやってまいりましたし学校の施設の整備も順次進めてまいりました。

しかしなかなか仕事には尽きるということがありませんのでこれからも改めて様々な課題に取り組んでそして輪島市をもっと元気で活力のあるものにしたい、そんな思いで今回新たな気持ちに立たせていただいたということであります。

(司会者)
はい、ありがとうございました。
ここでですね本来は拍手という流れになろうかと思われますが、本日は私の方から「拍手をお願いします」という時以外は拍手はご遠慮いただければと思いますので、また拍手の際には拍手いただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
続きまして林平様よろしくお願い申し上げます。

(林平)
ご紹介いただきました林平成人と申します。
まず私、林平成人が輪島市長選挙に立候補を決意した理由から申し上げます。
大きく分けて二つあります。

一つは輪島市が存続の瀬戸際にあるという危機意識です。
国勢調査による輪島市の人口状況です。
1980年45000人あまりいた人口が2015年27000人あまりで毎年500人から600人人口が減少しています。
この35年間で4割もの人口が減少しているという現状です。
もう一つ深刻な問題があります。
これは65歳以上の高齢化率です。
1985年15%あまりでしたが2015年には43%を超えました。
もうすぐ二人に一人が65歳以上の時代が訪れます。
高齢者の増加からどんな未来が生まれるとみなさんは思われますか?
それは労働力不足です。
すでに農林水産業では後継者不足が深刻化していますが、輪島塗や朝市を支えてきたみなさんの多くが高齢化し、建設業なども人手不足の影響で経営が成り立たなくなる可能性があります。
これを輪島市の財政という側面から見ると市税の減少につながりすでに輪島市は1割自治といってもよいほど独自の財源が枯渇しています。
よほどの対策を打たない限り、経済が上向くどころか縮小を呼び螺旋階段を転げ落ちる可能性があります。

二つ目は5期20年に渡る長期市制で市制全般に停滞感手詰まり感が見えることです。
私は一職員として、梶市長を尊敬し梶市制を支えてきました。
但しこの数年の梶市長の市政運営には、少なからず疑問も感じてまいりました。
こんなことがありました。
千枚田でとれたコメのくず米の活用法ということで、地域の皆さんが専門店にお願いしえがらまんじゅうを作って、市役所に持って行きました。
市長が喜んでくれると思ったのですが、なぜか市役所はこれを冷たくはねつけ販売を認めませんでした。
8年前の市長選挙の対抗馬だった方のお店が製造元だったからです。
もう一つ例をあげます。
門前ですすんでいる産業廃棄物最終処分場です。
昨年2月に市民発議による住民投票が行われました。
ところが市長は市民の自由な投票行動にブレーキをかけました。
この件はすでに県から事業者に建設の認可が交付されましたので、選挙の争点にはなりにくいとは思いますが、産廃最終処分場に舵を切ったことで梶市制そのものが手詰まり状態にあることを露呈したと私はみています。
市民の間には、今も20年やった梶さんなら安心との声があります。
しかしこれまでの20年の延長線上に輪島の輝かしい未来があるとは私には到底思えません。
冒頭に輪島市が存続の危機にあると申し上げましたが、一つは危険の危、もう一つは輪島が変わるべきチャンスの機ととらえたうえで今はまさにその時だと感じました。
私林平成人は輪島市が抱える課題と真摯に向き合い、その解決に向けてみなさんの先頭に立ちたいと考えています。

(司会者)
はい、ありがとうございました。
それでは自己紹介も終わりましたので引き続きテーマ別の論点に入ってまいりたいと思っております。
テーマについては繰り返しになりますが、
第1テーマとして、経済・雇用について、
テーマ2として、福祉・教育について、
テーマ3として、地域資源の活用についてということで、
3テーマを主催者側において決定をしております。
その内容につきましては、両表明者のお二人に事前に通知をさせていただいております。
お二人のお考えを述べていただければと思います。

それでは最初のテーマ1、経済・雇用についてであります。
昨今、地域経済・そして地域雇用について大変重要な内容かと思います。
それぞれ時間は5分という形でお願いをしたいと思います。
まず林平さんのほうから5分間よろしくお願いいたします。

(林平)
主要な産業が軒並み崖っぷちを迎えつつあります。
最近の市民の声を聴くと一番多いのは景気が悪い、景気を何とかできないか、という声でした。
実はそれを裏付けるデータがあります。
農林水産業の従事者数です。
1980年に7000人近くいたものが2010年には1900人です。
77%もの従事者が減少しています。
漁業のみがかろうじて踏ん張っている状況かと言えます。
次に輪島塗の生産額です。
1991年に180億円というピークの生産額をあげましたが、2015年には42億円です。
こちらも77%と大きく減少しています。
そしてもう一点、観光客数です。
1980年がピークでした。270万人です。
昨年は120万人ですから、半分以上減少したということになります。
みなさん、この数字をみてまだまだ輪島は大丈夫だと自信をもって言えるでしょうか。
敢えて厳しい数字をみなさんにお話ししたのは、現状を正しく把握しないとよりよい対策が打てないと思うからです。
間断なく対策を打たないと輪島は存続できません。

短期・中期・長期の3つに分けてお話しします。
まず短期として即効性のあるものから考えてみましょう。
観光では輪島で2泊したくなるくらいの魅力を育てることが大切だと考えています。
一番手っ取り早いのは朝市の魅力倍増策です。
いつでもゆったり輪島のよさを知ってもらえる街づくりを考えています。
朝市は市民の台所としても復活させねばなりません。
市内で消費をするとその資金は市内に8割残ると言われています。
消費は輪島で!という運動をおこしたいと思います。

次に中期として産業誘致・企業誘致を考えてみましょう。
この数年市内では介護事業所が増えた半面、石川サンケン門前工場が閉鎖になるなど、ものづくり企業の誘致は難しくなっています。
結果としてあまり来てほしくない産廃最終処分場などの誘致に走ることになります。
私が今注目するのは、テレワークという働き方を進める一部の大手企業の動きです。
自宅で作業をしたり、郊外に設けた会社以外の場所で仕事をする働き方をテレワークといいます。
こうした分野の人達を空港のある輪島市に呼べないかと考えています。
また東日本大震災で大きな被害を受けた東北では復活のカギを握るとしてインターネットによるホームページに力を入れています。
輪島の企業の一番弱いところですがホームページなら輪島市にいながら大都市や世界ともつながる力があります。

最後に長期としては、人口減少に歯止めをかけるしかありません。
人口ボーナスという言葉をご存知でしょうか。
戦後の日本の経済成長は、まさに人口ボーナスの恩恵を受けたものです。
人口増加のカギは若者や女性が活躍できる社会を作る以外にありません。
金沢や県外に出た若者たちがもう一度輪島に戻るには魅力的な産業育成が必要です。
もう一つは人生のパートナーとなる配偶者の存在がかかせません。
そのための応援を私は惜しみません。

(司)
ありがとうございました。
続きまして梶さんよろしくお願いをいたします。

(梶)
あの輪島にとって本当に大切な仕事というのは、やっぱり観光そしてそれに連動して地場産業の漆器これを隆盛にさせることができるかどうか、ここが大きなカギだと考えています。
そしてもう一つは非常にその能登半島全体が海に囲まれた地域でありますから、海で獲れる漁獲物をどんなふうに付加価値をつけてこれを商品化をしていくか、あるいは農産物これらについてもただとれたものを販売するという考え方だけではこれは今の時代にはなかなか対抗できませんから、これもいかに形を変えてそしてこれを大きな地元の特産品化をするということが非常に大切なことでありますから、特にこれまで観光というところでは大きなお力をいれてきました。
観光の予算を圧倒的にこう増やし、力点を入れる、この観光の数値が伸びるかどうか、この数値のグラフがですね輪島の漆器の生産高に完全に正比例をしています。
ですからそういう点で考えれば観光誘客というところをどのようにして盛り上げていくか、だから輪島朝市という歌を震災直後になんとかしてその作詞家作曲家の方にお願いをしてこれを歌ってもらおうかと、あるいは逆に朝ドラをですね使ってもう少し日本全国にその輪島の良さというものをアピールして、それでお客がこの能登にあるいは北陸にというそういうタイミングを見計らいながら色々と準備を進めながらNHKの放送局長とも話をしてきて、それらはある意味ではうまく行きました。
しかしそれがずっと続くということにはなかなかならないというのが現実です。
金沢の新幹線も大きな効果を博していますけれども、これだけではずっと続くということにはなりませんから、この地域の特徴と色んなものを折り合わせて、例えば日本観光新聞で調査をするとですね一人の人が一年間に何回旅行するかといえば一年間におよそ2回だと、そして一回の旅行で何泊するかというと2.3泊くらいしかしません。
この2泊のうちの1泊をいかに輪島に泊まってもらうかと、年2回の旅行の選択肢をどうやって輪島に来てもらうのかここの仕掛けがしっかりとしていなければ観光客は増えてきません。
そしてその観光客が増えれば必ずそれに連動するものが出てくるわけですから、そこは期待していかなければなりません。

とりわけ本来輪島で朝市の皆さんがかつては輪島に旅行に来られた方は必ず朝市へ寄るというそういう連動性がありました。
しかしこの間、観光の入込客は142万132万。この大台で少しづつ入込が伸びてきたのに、逆に朝市の入込が減少している。
これは別の意味であのはっきり申し上げると朝市をどんなふうに魅力的にして、朝市に寄ってもらうかというそういう政策がなければですね、これはどれだけ客を呼ぶというだけでは 答えにつながっていきません。
ですから今輪島フグというものも5年間日本一の漁獲高があるということを漁業者にもわかってもらい、そして漁業者に加工施設の政府の補助金を出して加工をしたものを市内の色んな事業者がこの輪島ふぐを使い、だからもう少しアバウトに漠然とした話ではなくて焦点を絞ってやるのが輪島市の農林水産課の仕事であろうとそんな風に思っています。

(司)
はい。ありがとうございました。
テーマ1は終えて、次テーマ2に移ってまいりたいというふうに考えます。
テーマ2は福祉・教育についてであります。
福祉については安心してこの街に暮らしていくためには最も大切ことだというふうに思いますし、教育については国家100年の計というような形で人生も100年になるという中で非常に大切な分野だと思います。
この福祉教育についてお二人のお考えをお聞きしたいと思います。
それでは続いてAの梶さんよりよろしくお願いします。

(梶)
えーとですね福祉ということで申し上げれば、輪島の人口減少、これは決して輪島だけではなくてとりわけ奥能登の2市2町の人口減少率そして高齢化率こういったところはこの2市2町がきわめて県内の19の中で顕著であります。
ある意味共通の問題点を抱えているということをそれぞれ認識をしながら今取り組みを進めているところです。
ならば子育て支援が大事だと言うことで、今輪島市内の子供さんが石川県内のどの地域のどの病院に行ってもすべて18歳までは無料で診療を受けるということができるという医療費の無料化を行っています。
そして子供さんの保育所の保育料あるいは子供達が保育所から小学校1年生になった段階でかぎっ子を作りたくないかぎっ子を作らないためにどうするかということで各小学校単位で学童保育も行い、子供さんたちが安心をして学童保育施設へただいまといって学年の違う子供と一緒に勉強しそして遊びを通じてそして子供たちが大きく成長できるそんな環境を作ってまいりました。

その他に高齢者の方についても福祉で言えばですね高齢化率が高い、高齢化率が高いということは分母全体が少なくなるということから高齢化率もより高くなる、とすればこの高齢化率が43%というとなると高齢者のみの世帯、あるいは高齢者一人世帯そういう方々が増えてきます。
万が一誰にも知られずに悟られずにいつの間にか建物の中でなくなった、そういうケースも全くなかったわけではなくて、それは私のおばさんもそうでありましたけれどもだからこそそういう方たちを通して周りの人が気付いてあげるのか、あるいは色んな事業者で毎日毎日いろんなお宅を訪問しているかたがいらっしゃる、そういう78の事業者の方と協定を結んでそういうお宅についてはとりわけ新聞がたまっていないか牛乳がたまっていないか様子はおかしくないかとそういうその見守り対策も十分やってきました。

今これからより更に子供たちの教育ということを考えれば今新しく輪島中学校ができました。
輪島中学校の施設は教室であれ、あるいはその他の特別教室であれこれはすべて冷暖房完備になっています。
これからの子供たちの教育環境を整備していく時にはそういう今ある中学校市内に3つあります小学校もあります、これらを順番に夏場でも安心して勉強ができるようにエアコンの整備を順番にやっていこうとそんなことも思っています。
高齢者の問題も含めてこれからの福祉の中で私たちが直面する課題はたくさんありますのでまあそういうことをしっかりと対策を講じていく予定をしております。
まだ時間は大丈夫ですか?はい。
それではあの続けて申し上げますとですね、あの特に学校の耐震化ということも全部行ってきましたけれども、えーそういう意味ではほかの公共施設の整備は全部はある一定はあきらめてきましたけれども、これからその子供たちが自分たちの勉強するために図書館の整備をどうするのか安心して子供たちが勉強できる環境づくりというものをしっかりと対応していきたいという風に思っております。

(司)
はい、ありがとうございました。
それでは続きまして林平さんからお願いいたします。

(林平)
まずは人生の先輩高齢者のみなさんを大切にします。
この数年輪島市でも高齢者の増加を見込んで介護施設が増え施設自体の受け入れ態勢は都市部などと比べると優位な状況にありますが、若いころから病気にかからないよう健康寿命を延ばす工夫がますます大切になっています。
高齢者が自立した生活をおくれるように、元気な方には率先して仕事をしてもらう、あるいは社会活動などに参加してもらいたいと考えています。
今後は高齢者を元気な高齢者たちが支えるといった動きも育てていきたいと思います。

輪島市では行政に頼るあまりこれまでは市民が自発的に取り組む非営利団体NPOの育成がおろそかになってきました。
NPOが立ち上がれば多様な声が行政に届きNPOが市内の新しい雇用の場としても大きく膨らむことが期待できます。

今最も気掛かりなのは山間地の集落の孤立化です。
公共交通網が途絶え車を持たない高齢者は買い物や病院通いにも一苦労しています。
コミュニティバスや福祉タクシーを拡充させるとともに集落の存続に向けて旧小学校単位で智慧を出していきたいと考えています。

次は少子化対策と教育の充実に努めます。
元総務大臣増田寛也(ますだひろや)さんは、その著書地方消滅で2040年までに全国で896の自治体が消滅すると予想しました。
その一番のポイントは、20歳から39歳までの女性の人口減少にあると言われています。
2010年これは輪島市の数字です、1800人余りいましたが30年後の2040年の予想では610人です。
66.6%の女性が減少する、そんな見通しを出されています。
私は梶市長が少子高齢化対策に無策だったと言うつもりはまったくありません。
しかし残念ながら現状は、もっと大胆な対策なしに輪島市が正念場すなわち崖っぷちを逃れる手立てはないと申し上げたいのです。
基本は若者や女性が活躍できる社会を作る以外にありません。

町おこしでよく言われるのが、よそ者若者バカ者です。
よそ者とは物事を客観視してみる力、若者とは実際に若くはなくとも情熱を持って取り組む力、バカ者とは固定観念や過去の慣習にとらわれずに行動する力。輪島にはその3つの力が決定的にかけています。
もはや行政だけで対策をとる次元を超えているんです。
市民の叡智と行政の努力が一体とならなければ大変な時代を乗り切ることは出来ません。

近年家庭の所得の差が教育の格差につながるという社会課題が指摘されています。
例えば退職教員のボランティアを前提に土日の学校の一教室を開放することもできます。
子ども達には無償で学習指導ができる制度を作ります。
その場合、こうした学校・教育委員等の理解が不可欠です。
どの子にも均等に学習できる機会が与えられるよう努力いたします。
また輪島市でも、貧困が貧困の再生産につながらないよう所得水準が一定以下の家庭に給食費の無償化や図書券の配付を実施したいと考えています。
市の支援を受けた子供たちはやがてふるさとに恩返しをするかもしれません。
ITや英語力で輪島の産業復興の力になるかもしれません。
それが教育の力です。

(司)
ありがとうございました。
それでは最後のテーマ3に移りたいというふうに思います。
テーマ3については地域資源の活用について地域資源の活用についてということでテーマをつくっております。
私も本日愛知県から参りました。
輪島塗というのは小学校の時習ったなぁということを思い出します。
えー様々な地域にも資源があるかと思いますが、その地域資源の活用についてというテーマでお話しいただきたいというふうに思います。
それでは林平さんのほうからお願いをいたします。

(林平)
私は人材こそ資源にしなければならないと思います。
何を持って輪島市の地域資源とするかこれは輪島市の復活をかけた行政の最大の争点になろうかと思います。
輪島市には豊かな自然に加えて輪島塗や朝市など独自の文化がありますが、それだけでどこにも負けないあるいは他に誇れる資源になるわけではありません。
つまり地域資源というのは、それを活かせる人間の智慧があって初めて本来の資源としての役割が活かせるのです。
私は輪島市の地域資源は、最後は人間力、つまり人材の力の集積で決まると思っています。
全国にはわずかながら人口が増えたり観光客が増えたりしている地域があります。
そうした地域には自分たちの地域の本当の良さを見つめその良さをどうすれば一番活かせるかを真剣に考える人材がいます。
その官と民が連携し一体となって地域おこしに取り組んでいるのです。
さて私たちが誇りとする輪島塗は持っているだけではその価値はわかりません。
使って初めてわかるのです。
実は2020年に東京オリンピックパラリンピックがあります。このオリンピックには森林減少を阻止し生物多様性を含む生態系を保全するというテーマがあるのはご存知でしょうか。
私はこのテーマに沿ってオリンピックパラリンピック期間中の選手村で輪島塗の食器の活用を計れないかと考えています。
輪島市のご家庭の蔵に眠る輪島塗をみなさんにご提供いただき一部を修理して世界のお客様に輪島塗をアピールするのです。
ジャパンという呼び名は漆の器から来たものです。
オリンピックの予算は12.3兆円ですから選手村の食器代が安くなり、世界に木材や漆を使った日本の伝統文化がPRできれば一石2鳥どころか輪島にとって最高のオリンピックレガシーつまり遺産になります。
場合によっては閉会後のお土産の一つに加えてもよいかもしれません。
輪島塗の器が世界に渡り再びジャパンの真髄を世界に知らしめいつしかジャパンをもとめて輪島に観光客を呼び込むことにつながるかもしれません。

輪島市は近隣の珠洲市能登町穴水町に比べればいくつかの優位性を持っていますがそれに胡坐をかいて行動しなければやがて消滅する全国896自治体の一つになるかもしれません。
約10年前平成の大合併が行われ輪島市は門前町と合併しました。
しかしその財政は万々歳どころか火の車状態です。
これまでの能登の各自治体は独自の施設を作るなど住民サービスで競ってきました。
しかしその運営だけでなく修理補修もしだいに重荷になっています。
これからは施設を作るよりも施設をいかに活用するかが試されています。
私は当面、奥能登の2市2町が連携を強め施設・人材・知恵を出し合って施設の活用だけでなく観光政策でも連携できないかと考えています。
ポスターを作って東京や大阪に掲示するだけでもお金がかかります。
まずは観光客を呼びこむための連携からスタートできないかと考えています。

(司)
ありがとうございました。
続いて梶さんからお願いをいたします。

(梶)
まああの大変すばらしいご意見をたくさん持っていらっしゃるということはよくわかりましたけれども、実はその林平さんがですねえ市の課長時代に色々と今の話をもっとやっていただければよかったなぁと、あるいはお願いをしたこともなかなか進まなかったという現実もあって今お話を聞いて、いやあこれだけの意欲があるなら現役の時にもっとやっておいてほしかったなぁということを改めて感じるほど素晴らしいご意見だと思います。
まああの2市2町の連携ということは非常に大切なことですから、まあ私達もかつてに比べると2市2町の首長それぞれ議員も含めて非常にまあうまく連携をしながらお互いが持つ素晴らしい財産をお互いに生かし切ろうとそんなことをやっていますが、とりわけ輪島の場合はですねこれまで財産としてなんとこんな小さな自治体ですけども国の重要無形文化財、有形文化財、名勝をいろいろたすと17のそういう文化財があります。
その一つ一つは輪島塗もそうですけれども、これまで輪島市が目指す街づくりのひとつの方向性として平家の里この1185年の平時忠が能登に来たこと、あるいは1321年に總持寺が開山をしてその禅の里というものを活かそうと、あるいは特に輪島ですから輪島は漆の里だと言うことでまあこれらの中身に加えて今国といろいろと連携をしながらお願いをしてそして現実のものにしていこうとしているのはですね、海女漁の国の文化財の指定というのが決まりました。
これは是非次はユネスコを目指そうというようなことを取り組んでおります。
それからもちろん今年平成30年の10月になれば輪島のもつもう一つの風土この中で生まれたその来訪神神事というのがありますけれどもこれは門前で言えばアマメハギ、輪島で言えば面様年頭こんなものがユネスコに登録されるというそんな可能性ももう目の前にあります。

いろんな素晴らしい財産がある中ですのでこれらをしっかりと観光の目玉にもすえながらやっぱりなんといってもただそういうものだけではなくてですね先ほども申し上げて繰り返しでありますけれども地域の中にある一番大事なものは観光と連動するのは食だと思っています。
食の魅力をいかに生かしていくのか。日本食がユネスコに登録されたのであれば当然それに連動して輪島塗という世界も出てきますから当然オリンピックの委員会にも輪島塗の提案もしています。
洞爺湖のサミットにも使ってもらいました。
それはやっぱり自分の足で歩いて色んな所へその素晴らしい財産のよさというものをアピールをしてきたからこそひとつひとつ取り上げられてきたわけです。
まあ今後もそういったことは当然にして私たちが引き継いでやっていかなければなりません。
その為には地元の漆器の業界の皆様方も新しい発想の中に新しい生活様式の中にいろんなものを固定観念を捨ててそこへチャレンジするというそういう気持ちがお互いにこれがあわさってこそそれらが一つ一つが生きてくるんだと思っています。

まあ奥能登の2市2町それぞれ悩みは共通して大変な思いはしていますけれどもいつまでもこの状態を続けていこうというそういう気持ちは4つの自治体のどこにも微塵にもありません。
やっぱりいざとなればみんなが協力する、そしてこの地域をもっと大きく本当に住みやすいいい地域であるそんなところにアピールをしていくということは当然至極のことであろうと思います。

(司)
はい、ありがとうございました。
以上で事前にお決めをさせていただきました3テーマについてお話を伺いました。
経済雇用そして福祉教育、地域資源の活用ということで今までのお二方の経験やお立場そして色々な知見から今の輪島の現状そして過去と、今後どのような形で輪島市をよくしていくのかということをお話ししていただけたかなぁというふうに思います。
しかしながらまだ5分という時間でありましたので、お時間がなかったかなぁというふうに思います。
最後になりますけれどもお二方とも5分ずつお時間を自由時間とさせていただきます。
是非本日お話をした中で足らなかった部分そしてあらためて市民の皆様にお届け戴きたい内容を5分ずつお話しいただければというふうに思います。
最後梶さんの方からよろしくお願いいたします。

(梶)
まあ少し散発的になるかもしれませんけれども、いまそれぞれ職員とともに努力しているのはですねしっかりとスリムでありながら効率的な仕事をやっていこうと、そして今皆様方もご存じであろうと思いますけれどもふるさと納税の活用であります。
ふるさと納税はおかげさまで県内19の自治体の中では金額は大きい方ですけれども今年もなんとか3億5千万というふるさと納税をおおくのみなさんからいただいております。
輪島に育って親の人達が子供に精一杯金をかけて、子供たちはこの土地を離れるかもしれません。
しかしこの地に残った人たちのためにそういう周りの応援団の人達が輪島に税金寄付という名目で金をよこしてくれる、その金を活かしながらこの地が少しでも高齢者の残された方々のためにいろんな仕事をしていくそのためのこのふるさと納税のですね30%はこの輪島の特産品をその方々にお届けできる。
ですから3億あれば9千万の地元の特産品を売ることができる。
3億5千万この金額は本当に私共にとってはありがたい新たな市場を確実に作っていけるということです。
そういう方々に輪島の特産品のパンフレットを送る。
この中の60%は輪島塗であります。
あとはカニであったり、まあいろいろその他にお米であったりいろんな素晴らしいものを送ることができるという地元の紹介をできる大変なこれは市場、新しい市場だというふうに思っております。

話は切り替わりますけれども、あの各集落は大変な高齢化率が進んでいますのでそういう中で公共交通機関のバスが今廃止をされるという大変厳しい環境にあります。
こういうところをどんなふうにその地域の人がらいそうしやすい環境を作るということで今色々取り組んでいるのが相乗りバスという方法です。
相乗りバスというのは子供たちが学校に向かうために使うスクールバス、このスクールバスに地元の大人の人達も乗り合って一緒に街へ出れる。
そしてまたそのバスでまた地元に帰る。
その代わり料金はそういうバスを使っていただければ100円という料金で利用することができる。
高齢者の人達も出かけやすいという環境をそんなふうにして公共バス自治体が走らせるバスで作っていく。
それからまた別の意味でその高齢者たちがですね外に出かけやすい環境というものは作っていかないと家の中にじっとしているとこれは元気である期間というのを短くする可能性がありますので、どんなことをしているかというと、地域にある公民館あるいはその土地で作った集会施設そういうところのトイレも全部今、水洗便座式に切り替えました。バリアフリーにしています。
こういうことをやってその地域の高齢者の人が地域で寄り合いがあっても出てきやすいようにそしてその場所では高齢者の転倒予防教室であったりいろんなことをやって高齢者の人がとにかく健康寿命が長くもてるように色んな対策を講じているということであります。
様々にその地域の個性・特徴・そして高齢化率色々なものを考慮しながらその地域にしっかりと福祉という形、あるいは教育という形、公共という手の差し伸べ方というものを多種多様にこれから進めてまいりたいと、そのように思っています。

(司)
はい、ありがとうございました。
はいここで盛大な拍手をお願いいたします。
ありがとうございました。
続きまして林平さんお願いたします。

(林平)
まず市に置かれた財政問題についてお話します。
広報わじま10月号によれば輪島市の家計簿という形で平成28年度の決算が掲載されています。これによれば歳入である市税は11.8%に過ぎません。かつて3割自治という言葉がしばしば使われ地方自治の危機だと言われてきましたが現実はさらに深刻度を増し、すでに輪島市の自主財源から見れば1割自治のレベルなのです。
家庭に例えるなら月12万円の収入で100万円の生活をしているのと同じことになります。
少子高齢化と人口減少がもたらす影響により輪島市の景気の好転をなかなか認める状況ではありません。
私はせめて消費をするのであれば地元の市内でということを申し上げましたが実態は相当に深刻なのです。

次に多選無投票の影響についてお話しします。
これまでの延長線上で10年先20年先も輪島市が安泰であれば今回私は出馬を見送ったかもしれません。
しかし現実は崖っぷちに近づいています。
むしろ体力が残っている今なら官民が一体となって本気で大胆な手立てを打てば危機を少しでも回避できるのではと考え今回の市長選への出馬を決意いたしました。
梶市長は5期20年間市長を務めてこられましたが実はその前に市職員組合委員長から市議会議員に出馬し2期目の途中で市長になられました。
つまり足掛け30年以上市の行政に深くかかわっております。
梶市長のご経歴からすれば市民の皆様の予想をはるかに超える強大な力をお持ちなのです。

先ごろ金沢市長は4選目の出馬はあり得ないと発言されました。これも一つのご見識だと私は考えます。
金沢市や白山市は多選自粛条例を制定しています。
自民党の要綱でも4選は多選に当たるとされています。
私も輪島市においても多選自粛条例の制定を目指します。

最後に私に立候補を決意させた梶市長の一言を紹介いたします。
私は昨年3月末に35年間務めさせていただいた市職員を定年前に退職いたしました。
実は昨年3月17日市議会市部課長会合同による退職者送別会が市内ホテルで行われました。
私のあいさつの最中に梶市長さんから「市長になれ!」と言う言葉が私に掛けられました。
私に対する皮肉だと思いますがこれをきっかけに市長選挙をやろうかと考えるようになりました。
梶市長はこれまでの市長選挙に際し次は出馬したくない辞めたくても周りが辞めさせてくれない、という趣旨の発言をしばしばされてきました。
自分に変わる後継者が育つことを期待していたにもかかわらずそうした人間が育っていないからもう一度立候補するのでしょうか、みなさん輪島市はそんなに人材不足なのですか?
市役所には私以外にも人材がいますし、民間企業にもこの方が出てくれればと思う方が何人もいます。
問題はそうした人材は出る杭は打たれる通り周りからつぶされています。
私は一途な人間です。
退職者送別会における梶市長からのお言葉を素直に受け止めこの度の市長選挙に立候補を決意しました。
相撲の世界では上位のお相撲さんの胸をお借りし力をつけてやがて勝つことをご恩返しといいます。
私は梶市長に是非ともご恩返しをしたいと考えています。
その上で35年間お世話になった輪島市民の皆さんにもご恩返しができればと考えています。
以上でございます。

(司会)
はい、ありがとうございました。
ここで盛大な拍手をお願いいたします。

はいそれでは以上で本日の討論会の内容をすべて終わることととさせていただきます。
大変短い時間ではありましたけれどもお二人のお考えをお聞きいただけましたでしょうか。
いよいよこれで選挙が始まってまいります。
その中で本日お二人のお考え、また選挙が始まった後も更に具体的なお話も聞かれるかというふうに思います。
是非とも政策本位の政治選択を皆様にぜひともお願いしたいと思いますし3月11日の投票日においては投票という形でご自身のお考えを表明いただければ幸いに存じます。
是非とも他人事ではなく自分事として政治をとらえていただければ幸いだと思います。
また本日設営されました輪島青年会議所様には心から敬意と感謝御礼を申し上げたいと思います。

以上。

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