能登半島地震活動報告(2024年6月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から半年が経ちました。家屋の解体作業はやっと本格化し、道路にはみ出している家や、いまにも倒壊しそうな家は徐々に撤去され更地になってきています。今後どれだけの土地が更地になりどれだけの家が残るのか・・・きっと町の風景がまったく変わってしまうのでしょう。

話し合いは重要、でも誰がやるか、がもっと重要

震災から半年近くたってから、被災地各地で住民たちが集まって「これからの町がどのようになったらいいか」という話し合いを行政主導で始めています。「自分の思いをみんなに聞いてもらえた」「今後の明るい未来の話ができて楽しかった」など、みなさん気持ちが穏やかになっている様子がうかがえます。しかし語っただけで終わらせてはいけません。みなさんの熱い思いをどう実現するか、が大切であり、そして誰がやるか、が最も重要です。夢を語って終わり、にしないよう誰が音頭をとるのか、今後の動きを注目しています。

私たちは深見町で、語るより先にひたすら動いています。大惨事のなか私たちができることは極わずかです。まずは深見町を賑やかにすること、結果的に被災地全体が元気になることを目指しています。

「何をやるか」を決めることは「何をやらないか」を決めること

多くの夢が語られても、行政は全ての夢を叶えることは不可能です。「夢を語ってもらったけれど市としてはあなたの夢は叶えることはできません」と説明をする時がくるのでしょうか・・・。

市民の声を行政に伝える流れを日頃から行うことの大切さ

今回の震災で感じたことの一つが、私たち市民の声や疑問を行政に届ける方法を知らないと言う人が多い事。議員が市民の声を聞き役所に正しく要望を伝える、それが全く機能していなかったと感じています。平常時は議員と接する機会はありませんが、日常から議員を通じて役所に声を届ける連携をしておくことが重要だと感じました。逆に法律やルールを議員が正しく理解し、市民に説明することも求めていくべきだと思いました。

【発災から6か月の状況】

◆解体が徐々に本格化

損壊家屋の解体が徐々に本格化しています。「解体が進まないのは国のせいだ!」と言う人がいますが、当事者としては、どんなに壊れていても、生まれてからずっと住んでいた家を失くす決断は簡単にはできません。心の準備が必要です。荷物の片付けも大変です。保険の関係で調査が必要な物件もあります。半年経過し、やっと次に歩み始める気持ちになり、解体を申請する人も増えてきたということもあるのではないでしょうか。

◆断水はほぼ解消

深見町も6月末に通水しました。これから宅内の水道工事を個別に進め水道が蛇口から出るようになります。

◆虫が大量発生

 震災あるあるらしいです。夜、コバエが大量に発生し、朝になると死骸が大量に落ちている、といった現象がみられましたが、3日程度でなくなりました(深見町の場合)。東日本大震災の経験者に聞くとやはり震災後1年間は虫が大量発生したようです。

【紡ぎ組6月の活動】

◆仮設シャワーを設置

 深見町復興センターに仮設シャワーを設置しました。自宅のバスルームが壊れている地元の人、仕事で来ている業者さん、ボランティアの方などに活用してもらっています。

◆インスタントハウスアート続編

 今月も、インスタントハウスにペイントをしてくれました。今回は富山大学と金沢大学の学生さんが描いてくれました。青を基調とした希望が持てる明るい絵です。この取り組みは読売新聞にも取り上げられました。

◆復興食堂開催(6月1日~5日)

大阪「麺匠輪」さんがラーメンを、金沢「AMIYA」さんが能登フグ丼とおでんを、提供してくださいました。今回は夜の部も営業しましたが、予想以上にご来店くださり毎日にぎやかな復興食堂でした。7月は16日~21日の6日間開催します。今回は6月の出店者さんに加え、埼玉県のBBQチームが来て、ステーキ丼やフィリーチーズステーキサンドを提供してくださいます。是非、復興食堂にお越しください。

◆苗の配布

野菜の苗を育て、深見町の人に渡しています。仮設住宅にいる人も苗があれば捨てるわけにもいかず、自然に自分の畑に植えるだろうという思惑です(^^)v 深見町に人が住まなくなったらあっという間に畑は荒れ果てます。「みんなで畑に野菜を植えよう!」と声がけをしています。仮設住宅に籠りきりにならない為の作戦でもあります。結果的に災害関連死を防ぐことになるはずです。

◆肉まん教室開催

 6月27日、二次避難している粟津温泉で、肉まん教室を開催しました。深見町の住民ほぼ全員が粟津温泉に避難しましたが、仮設住宅もできお世話になった粟津温泉から出ることになりました。震災というきっかけでしたが偶然できたご縁をただ失くしてしまうのは寂しく、何かの形で残せないかと考えました。そこで輪島朝市で販売していた肉まんのレシピをお伝えし、粟津の皆さんで作ることにしました。22名の方が参加し楽しんでいただけました。将来、粟津で肉まんが広まってくれたらこれ以上の喜びはありません。

【ご寄付をいただきました】

 麺匠輪様・かたつむり様より店舗での募金をいただきました。いつもありがとうございます!

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復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

(クレジットカード)https://square.link/u/wpeWISAS

NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己

能登半島地震活動報告(2024年5月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から5か月が経ちました。学校の校庭や大規模な駐車場には仮設住宅が所狭しと建設され、入居が進んでいます。私たちの拠点深見町の町民も車で10分ほどの場所のプレハブ型仮設住宅に引っ越ししました。5月中旬からやっと解体業者も動き始めてきました。解体作業もこれから徐々に本格稼働してくるようです。

変わらなくても変わらなければ~5か月という期間を経て

発災から5か月。初めは生きることに必死。その後は生活するのに必死。その後は罹災証明や緊急修理制度、公費解体など各制度の理解や手続きに必死。そして5か月が経った今は、将来の不安が一気に出てくる時期だと感じています。町の景観は変わらず、ライフラインも未だ整備されず、環境はほとんど変わらないけれど、自分はこのまま止まっていてはいけない。動き出さなければいけない。そんな時に必要なのは、安心感や希望ではないでしょうか。そしてそれができるのは市長の声であると思うのですが・・・何も聞こえてきません。

みなさん能登半島に来てください!

観光にいい季節です。是非観光に来てください。そして倒壊した家屋が並ぶ街並みを見てください。そしてそれを周囲の人に伝えてください。是非、深見町にも来てください。能登の素晴らしさが一目でわかります。輪島は産業の多くが破壊されました。輪島の物を買いたくても買えるものがない状況です。県外から来てくれること、それこそがとてもありがたいのです。

【発災から5か月の状況】

◆まだまだ続く断水

輪島市通水地域地図
輪島市通水地域地図

ピンクの部分が輪島市の通水地区。左端が輪島市街で深見町との距離は約8キロ

 知事は5月28日の議会で「5月中には断水解消の見通し」と声明を出しました。しかし、深見町はいまだ解消のめどが立っていません。右の地図は輪島市が公開している通水地区です。通水といっても蛇口から水が出るわけではありません。試験的に水が通ったことが確認できました、という意味です。深見町は通水すらまだまだ先です。

◆応急仮設住宅(プレハブ型)入居

 深見町の町民は、今まで二次避難所に避難していましたが、5月下旬からやっとプレハブ型の応急仮設住宅に入居が決まり、引っ越しをしています。深見町から車で10分程度なので、深見町にだいぶ近くなりました。しかし、あまり居心地のいいものではないようです。(ちなみに私は仮設住宅に入居していません。)夫婦二人世帯で6畳一間。隣部屋の音は筒抜け、駐車場もない・・仮設住宅なので贅沢は言えませんがやはり長期間住む場所ではないようです。それでも、深見町に近くなったことで、町民は深見町にみんな集まってきます。

◆深見町コミュニティセンターを作る

 深見町に戻ってきた町民が集まれる場所をこれから作ります。ここにくれば誰かしらいる、みんなでお茶したりおしゃべりしたり、そんな憩いの場を作っていきます。

【紡ぎ組5月の活動】

◆ゴールデンウィークに復興食堂をプレオープン

 能登の牡蠣を使った、焼牡蠣やカキフライ、牡蠣ご飯、他にも焼サバ丼や能登豚の肉まんなど提供しました。仕事の方やボランティアの方など多くの方にお越しいただきました。ありがとうございました!全国のボランティアの人が手伝ってくれたおかげで混乱なく終わることができました。NHKのニュースにも取り上げていただきました。

◆インスタントハウスアート

 先月に引き続き、富山大学の学生さんが毎週末深見町でインスタントハウスにペイントをしてくれています。どの絵も素晴らしく、永遠に残したいアートとなりました。この絵を見に来るだけでも深見町に来る価値があります。是非見に来てください。

【ご寄付をいただきました】

 GroovyーBeats様よりチャリティコンサートでのご寄付を、麺匠輪様より店舗での募金をいただきました。松井理恵子様から食器や調理器具などご寄付いただきました。ありがとうございました!

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※輪島朝市の状況※

一部の報道で輪島朝市の内部紛争が記事になりました。「輪島朝市組合」と「NPO法人輪島朝市」の争いですが、私達紡ぎ組はどちらに加担することなく中立の立場をとっています。

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復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己

 

 

能登半島地震活動報告(2024年4月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から4か月が経ちました。輪島の街並みは相変わらず震災直後から変化はありません。倒壊家屋はほぼ解体されず残ったままです。断水もまだ続いており、断水が解消するまで自宅に帰れない人がたくさんいます。

決して終わっていない被災地~復旧どころか緩やかに被災はすすむ

4か月が経ち、報道も少なくなりました。県外では、ほぼ報道されていないのではないでしょうか。よく聞くのは、「能登は復旧したのだと思ってた」という声。復旧はまったく進んでいません。逆に、解体されずに残っている家がある日突然倒壊したり、ひびが入った道路に雨水が浸透し、更に崩れていったり等、未だに緩やかに被災している状況です。高いビルが日々斜めに傾いていく隣を普通に車は通行しています。倒れたら大きな被害になります。なぜそんな危ない場所を放置しているのか、疑問です。

【発災から4か月の状況】

◆コミュニティの形

 震災前のように町民が全員同じ町で暮らせることが一番いい事ですが、それは今はかないません。バラバラの町に住むことで、縁遠くなってしまうのはあまりにも寂しすぎます。住まい以外の形でコミュニティを継続する方法を考え、今は深見町になりわいを作るべく動いています。まずは食堂。町の人が作った野菜や、海でとった魚や海藻などで食事をつくり提供します。しばらく深見町に住めなくても、深見町に職場をつくれば、コミュニティは継続できます。

◆住む場所は住民の権利でもあり悩みでもある。

 震災後、被災者は住む場所を点々とすることになります。多くの人は、

  • 一時避難所(近隣の集会所や小学校など)
  • 5次避難所(金沢のスポーツセンター。健康に不安のある方は医療体制の整った1.5次で、それ以外の人は二次避難所に振り分けられる)
  •  

プレハブ型の応急仮設住宅

 
  • 二次避難所(県内外のホテルや旅館)もしくは、みなし仮設(全国の賃貸住宅や公営住宅)
  • 応急仮設住宅(プレハブ型のものが多い)
  • 恒久住宅(恒久的に住むための自宅や賃貸、公営住宅など)  という流れになります。

今は、各地の小学校や駐車場など広い土地に次々と応急仮設住宅の建設が進んでいます。いわゆるプレハブ住宅です。この応急仮設住宅には長くても2年間しか住めません。2年の間に恒久的に住むための家を決めなければいけません。ではどんな住宅がいいのか・・・。

  • 自宅を修理する。2.自宅を解体して新たに家を建てる。3.災害公営住宅に住む。4.民間の賃貸住宅や親族の家に住む。など・・・

高齢者で子供達も戻らないという家庭は、あと10~20年住むための家があればいいわけです。その家のために高額な出費はできません。つまりは「いくらかかるのか」ということが一番の判断材料になります。

 その判断だと、災害公営住宅に住むのが一番いいと言う事になります。災害公営住宅は、被災地に建てる公営住宅であり、毎月比較的安い賃料を払って住むことができます。では、どこに災害公営住宅が建てられるのか・・・ということが次に問題になってきます。住民側とすれば、もちろん自分の自宅に近い場所が一番いいはずです。せめて地区の中に作って欲しいと考えます。しかし、住宅を建てる行政からすれば、各地区に点々と公営住宅を建てるより、一つの地区にまとめて作った方が建設効率も良く、建設後の管理もしやすくなります。そこで、住民と行政とのギャップが出るわけですが、住民の声をきちんと聞いて住民が今後幸せに暮らせる住まいを作れるかどうかは市長の姿勢によります。すべてが市長の判断です。

【紡ぎ組4月の活動】

◆4月7日 深見町復興まつり春の宴(お花見の会)開催

 大変天候に恵まれ、復興まつりが盛大に開催されました。深見町町民が二次避難している粟津温泉からは貸し切りバスを運行。日頃お世話になっている粟津温泉近隣の方々にもご参加いただきました。金沢の「ととのや」さんや「ごりんのりんご飴」さん、「かなざわオープンキッチン」さん、大阪の「麺匠輪」さんも遠くからお越しいただき出店して賑わいをつくっていただきました。

◆東京の職人さんに緊急修理をしていただきました。

 町ごと一斉避難した深見町は断水解消まで自宅に戻ることができず、屋根などの緊急修理さえできていない状況でした。被災地では職人の手が足りない為、東京から職人を呼び、町内の緊急修理を一気に行いました。

◆復興食堂をプレオープン

 ゴールデンウィーク中の4月28日~5月5日は、旧深見小学校にて復興食堂をプレオープンしました。

まだ住民が戻ってきていない状況ですが、戻ってきてから何か始めるのではなく、町内に生業(なりわい)をつくることが先ではないかと考えたからです。お客様の数は決して多くはありませんでしたが、仕事の方もボランティアの方も移住してこられた方も来て色々お話ができました。また町民の人たちも自然に集まって店舗の手伝いをしてくれたり、終了後大宴会になったり・・と今までにない楽しい場となったことが最大の成果だったと感じています。

◆インスタントハウスがキャンバスに

 富山や福井の大学生がインスタントハウスに絵を描いてくれました。明るい夢のある絵になりました!これからも色々な人たちに絵を描いてもらう予定です。

【ご寄付をいただきました】

 シロカ株式会社様より電化製品を、SAVE IWATE復興ぞうきんチームの方に保温ジャーをいただきました。復興食堂や仮設村の整備に使わせていただきます。また粟津町会館の館長様よりコーヒーメーカーもいただきました。ありがとうございました!

【今後の活動方針】

・6月1日から5日間、大阪の「麺匠輪」さんが旧深見小学校にて出店してくれます!詳細は深見町復興協議会のインスタや、紡ぎ組のFBなどでご案内いたします。復興食堂も不定期ですが継続いたします。

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復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己

 

能登半島地震活動報告(2024年3月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から3か月が経ちました。輪島の街並みは先月ご報告した状態からほとんど変わりません。道路はだいぶ補修されましたがまだ一部の通行止めは続いています。倒壊家屋はほぼ解体されず残ったままです。断水もまだ続いており、断水が解消するまで自宅に帰れない人がたくさんいます。

静かすぎる被災地~止まってしまった時間

元日に起こった地震ですが、もう桜が咲く季節になりました。日差しも暖かくなり、日本海の海も穏やかな日が増えてきています。今までの災害経験者の話を聞くと、震災後3か月ともなれば、土日関係なく、至る所で工事の音が鳴り響き、ボランティアさんで町が溢れかえっていたそうです。ところが今の輪島は驚くほど静かです。理由は色々あるのでしょう。いまだに断水が続いていて住民の多くが避難所から戻れないこと。住民がいないからボランティアも受け入れられないこと。ボランティアや工事現場の人の宿営所建設がなぜか一向に進まないこと・・・。こんな状況では、倒壊家屋の解体だけでも何年もかかります。解体撤去できない間は初めの一歩さえも歩みだすことができません。被災地は時間が止まったように静かです。

【紡ぎ組の発災から3か月で感じること】

◆輪島朝市の復活???

輪島朝市の一部の店舗は、3月23日金沢で1日だけの営業を行いました。「輪島朝市復活か?」と思われるかもしれませんが、金沢で営業するということは輪島の復旧が進んでいないということです。そして、金沢の朝市が定番になれば輪島での再開が遅れると言う事です。私たちは輪島で復興食堂として再スタートしたいという思いから、金沢での朝市には参加していません。

◆役割を果たせているか。

 市役所の職員は市民の声を聞き、県や国に市民の状況を伝え要望をする役割です。しかし県が決めたことを市民に説明することはあっても、市民の声を県に伝えることは少ないと感じます。私たちの要望は、面倒なことと捉えられます。

県や国は被災地を知ることはできません。被災地の状況や被災者の要望を市が県に伝えなければ、被災者は取り残されるだけです。今、取り残されていると多くの被災者は感じています。そして議員は、声をあげられない被災者の声を拾う役割です。多くの被災者は高齢であり、声を上げることもできません。声なき声を拾い、執念深く市に訴えなければ行政は動きません。それぞれの役割をキチンと果たせばきっといい方向に復興するはずです!

◆炊き出しの転換点

 炊き出しは、発災当初、命をつなぐ段階では大変重要な支援です。輪島市内にも多くのボランティアの方が炊き出しをしてくださいました。本当に助かりました。1か月過ぎた頃から市内のスーパーは再開し自分で食料を購入することができるようになりました。もう炊き出しが必要なステージは終わったと感じています。(一部の地域はまだまだ買い物が困難なところがあります)飲食店も徐々に再開をしています。無料の炊き出しは飲食店の経営を阻害します。そろそろ経済活動を始める時期かな・・・と思っています。

【紡ぎ組の3月の活動】

◆復興食堂第一弾 ペンションかもめさんをお借りしてのラーメン販売

 大阪深江橋のラーメン店「麺匠輪」さんが輪島に来てくださり、3月21,22日の2日間、ラーメンを提供してくださいました。2日間で200名ほどのお客様にお来店いただき、みなさまに大変喜ばれました。売上げの一部を輪島の復興資金として寄付していただきました。今後も継続的にラーメンの販売をしてくださいます。

◆ボランティアの受入

 二次避難所にいて現地から離れていると、ボランティアの受入ができず、復旧が遅れてしまいます。私たちは定期的に二次避難所から現地に移動し、ボランティアの受け入れをしています。町民のニーズを受入、ボランティアとマッチングする活動もしています。ボランティア保険の入会サポートもしています。

◆重機免許の取得

 山は崩れ、木は倒れ、家は倒壊しています。片付けをするためには油圧ショベルなど重機の力が必要です。重機を操作できるよう、2名免許を取得しました。これで重機が手に入れば作業効率が抜群にアップします。

◆深見町仮設村の設置

 深見町内に応急仮設住宅を建設するため、輪島市に要望を出していますが、まだ受け入れられず、市が建設をする気配はありません。とりいそぎ深見町の旧深見小学校校庭にインスタントハウスを建てましたが、まだ断水中でトイレもシャワーもなく、長期滞在できる状態にはなっていません。TEAMJAPAN様から仮設トイレを貸していただけることになり数日の滞在が可能になりました。TEAMJAPAN様ありがとうございました!

◆山の状態調査

 この震災で、山が崩れ、地滑りをおこしました。割れた道路や畑は日に日に段差ができたり広がっていったり、震災後も状態が悪くなっています。そこで山の状態を石川県に調査依頼し対策をとってもらいました。地滑りは地下に水がたまることで発生しやすくなります。ライナーと呼ばれる水抜き装置の点検修理や、地すべり観測計器の設置など、地すべり対策をとってもらいます。

◆4月7日 深見町復興まつり春の宴(お花見の会)の準備

 孤立地帯となり自衛隊のヘリで深見町全員が救助されてから3か月。まだ一度も自宅に帰れない方もたくさんいます。花見のシーズンと重なったこともあり、旧深見小学校でお花見の会をやることにしました。貸し切りバスをチャーターし、二次避難所の粟津温泉から町民全員で深見町に日帰りで戻ります。お世話になっている粟津温泉の住民の方々も参加していただきます。この日一日戻るだけで、まだまだ二次避難生活は続きます。

【今後の活動方針】

・まだ不定期ですが、復興食堂を継続いたします。

・解体業者さんの宿営所を作ります。宿営所を設営しなくては、解体作業が進みません。

・4月7日に深見町の町民みんなでお花見会します。輪島市外の人も参加して賑やかな一日にします。

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復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己

 

能登半島地震活動報告(2024年2月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から2か月が経ちました。輪島の街並みは道路上の瓦礫は撤去され始めているものの、倒壊家屋はそのまま、道路も緊急補修されただけの状況で、一般の人が輪島市内に入るのは危険な状況が続いています。断水もまだ続いており、東京水道局の作業員の方々が多数入り復旧作業を続けてくださっています。つまり1か月前にご報告した状況とあまり変わっていません。私達が運営していた輪島朝市横丁も全焼したまま何も手を付けられない状態です。朝市に関してはまだまだ時間がかかります。他の場所で復興食堂など何かできないか模索中です。

【紡ぎ組の発災から2か月で感じること】

◆輪島市深見町の復興計画を考えるにあたって

 深見町は町ごと自衛隊のヘリで救助され、今は粟津温泉にほぼ全員約100名二次避難しています。深見町の独自の復興計画を町民全員で考えています。

 どのように復興すべきか、日々考える中で、以下のように意識が変わっていきました。

第一段階は、行政依存の考え。行政(輪島市)がしてくれるのをじっと待つ姿勢です。私達深見町はこの意識はかなり早い時期に捨てました。発災直後輪島市は何もできず、ヘリに救助を決めたのは町民自身だからです。その結果、誰一人ケガも病気もせず、二次避難所に避難できました。

第二段階は、行政を動かす方法です。行政ができないなら、町民が行政に提案をして行政を動かそうという姿勢です。復興計画書を書いて行政に提出しましたが、手が回らないから今は何もできないという回答しかありません。

第三段階は、行政をあてにせず、自分たちで解決することです。自助共助公助とよく言いますが、公助から共助に舵を切ったわけです。行政をあてにせず自分たちの力で、復興していこうという考えです。しかしこれには大変な予算がかかります。土砂崩れの土砂を撤去するには重機が必要です。仮設住宅を設置するにも毎月のリース料がかかります。断水しているので山の水を活用するにしても、大きなタンクやホースなど部材が必要です。多くの方からご寄付という形で支援をいただいており、それを大切に活用させていただいております。また、2時間で建築できるインスタントハウスをご提供くださった名古屋工業大学の北川教授、雨水タンクをご提供くださった株式会社日盛興産様、色々な方から現物もご支援いただいております。皆様のお力添えのおかげで自分たちの力で復興できる希望が見えてきています。

【紡ぎ組の2月の活動】

◆石川県漁協買参権の権利移動の依頼

 被災した奥能登地区の港は、港の隆起などで競りが行えなくなりました。今は、水揚した魚は全て金沢港に運び金沢港で競りが行われています。買参権は港毎に設定されている為、他の港で競りに参加することができません。石川県漁協に買参権の移転ができるよう提言し移転ができるようになりました。これにより奥能登の仲買人さんが石川県内の他の港での競りに参加できるようになり、なりわいを作ることができました。

◆二次避難所でのコミュニティ形成。

 発災から2か月以上が経ち、みなさん不安な気持ちになってきています。いつになったら自宅に帰れるのか、二次避難所を追い出されたらどこに行けばいいのか、知らない土地に一人で行きたくないなど・・・。一人で思い詰めているとどんどん不安ばかりが募ってしまいます。そこで、避難している人みんなで顔を合わせて話をすることがとても大切です。避難先の集会所を被災者に開放して欲しいと各方面から依頼していますが、まだ利用許可がおりません。更に必要性を訴え開放してもらえるよう依頼を続けます。

◆炊き出し支援

 行きやすいところには毎日のように炊き出しが行われますが、声を出せない地域は取り残され、ずっと自力で食事を賄っています。水がないので、毎日水を汲み、冷たい水で洗濯したり食事の用意をしたり、洗い物をしたり・・・2か月以上も続くとさすがに疲弊します。そんな場所に炊き出しを行っています。

◆視察のアテンド

 衆議院災害対策特別委員会与党筆頭理事を能登全域の視察にアテンドしました。〇七尾市内の商店街視察と県議からのヒアリング〇輪島市門前町の商店街の視察と農家や事業者からのヒアリング〇輪島市黒島地区、鹿磯漁港視察〇輪島港にて海士町の漁師や海女さんからヒアリング・視察〇輪島の炊き出し拠点にて、若手リーダーからヒアリング〇輪島市深見町の集会所にて懇談〇珠洲市蛸島港にて、定置網漁師からヒアリング〇蛸島町の視察〇珠洲市蛸島にて、日本財団災害対策チームからヒアリング〇珠洲市寺家の珠洲神社にて、神主からヒアリング〇のと里山空港にて、所長から飯場建設予定地について説明を受ける。

【今後の活動方針】

まずは、深見町の人が仮住まいできる場所を町民と共につくり、二次避難所から深見町に戻る活動をします。また上記に示した通り、発災から2か月たった今でも復興どころか復旧すらも進んでいない状況です。進まない原因の一つとして、支援者支援ができていないという点があります。作業員やボランティアの方の宿営所がない、食事をするところがない等です。今後は輪島市内に宿営所を作り、食事の提供までできるよう準備を進めていきます。3月21,22日は、大阪のラーメン店「麺匠輪」さんと一緒にラーメンの炊き出しを輪島市内で行います。皆様のお越しをお待ちしています。

 

復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。

お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

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 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61)

                 理事長 佐藤克己

能登半島地震活動報告(2024年1月後半)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から1か月が経ちました。輪島の街並みは発災直後と何も変わりません。瓦礫の撤去が進んでいないのです。瓦礫の集積所や応急仮設住宅の設置場所、工事関係者の宿泊所など、復興に必要な土地がなかなか確保できないのです。それも半島という場所の難しさです。停電はだいぶ解消されました。まだ断水は続いています。私達が運営していた輪島朝市横丁も全焼したまま何も行えない状態です。がれき撤去が始まり、断水が解消されたら、復興食堂として、小さな店舗から始めていきます。

【紡ぎ組の発災から1か月の活動】

◆二次避難所でのコミュニティ形成。

 二次避難所とは、石川県南部や近隣県などに一時的に避難する場所のことです。石川県南部の粟津温泉や山代温泉、加賀温泉、山中温泉、片山津温泉などには被災者が多く移動し滞在しています。避難先の希望は受け付けていない為、自分がどこに連れていかれるのかわからず、知らない人ばかりの中に置かれます。そこで何か月も過ごすことになります。部屋の中で何日も過ごし、孤立してしまうと気持ちもふさぎ込み、活きる力も失っていきます。そこで必要になってくるのは、コミュニティを作る事です。みんなで集まり語り合える場を作る事です。集会所を被災者に開放するための活動をしています。

◆粟津町会館で寒ブリを食べる会を開催

 粟津温泉に避難している被災者と粟津の町の人が合同で、「寒ブリを食べる会」を開催。寒ブリは金沢港から宇出津(能登町)のブリを仕入れました。珠洲の正院で鮮魚店を経営していた避難者がブリを捌き、参加者全員にふるまいました。

◆輪島(曽々木地区や門前地区)、珠洲(大谷地区)での炊き出し支援

 株式会社雨風太陽さんと連携し、特に炊き出しが入りにくい場所での炊き出し支援を行いました。大変喜ばれました。

【今後の活動方針】

だんだん将来のことを考えてきています。能登に戻っても家もない、お店もない、戻りたいけど戻れない人が殆どです。二次避難所の町で生活を再建できないか、町の人の協力を得ながらサポートしていきます。

東日本大震災で復興活動をしている先人の知恵を拝借しながら被災者によりそった支援を続けてまいります。

復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。

お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

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 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 

理事長 佐藤克己

 

北國新聞の記事  みんなで語り合える場が大事

能登半島地震活動報告(2024年1月前半)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

被災から2週間が経ちました。

未だに孤立集落には143名が取り残され、避難所には16000人以上が避難しています。(1/16現在)

輪島では、まだ断水(全戸)・停電(5100戸)が続いています。

ライフラインが完全復旧するまでにの見込みすらたっていません。

 

【紡ぎ組の発災から2週間の活動】

目標 一人でも多くの命を救う!

◆危険地域に避難している住民を脱出させるための活動。

 地域から離れたくない方々に、地域を一旦出ることの理由を説明し納得してもらい

 集落全員の意思が固まったところで自衛隊への救助要請。→集落全員二次避難所へ救出。

◆石川県南部の二次避難所の被災者ケア。

 着の身着のままで避難された方への下着やルームウェアなどの支援。

◆一次避難所から、二次避難所への移動支援

 被災地域から金沢方面へ行きたい人のニーズを取得し、ニーズに合わせたバスと宿を確保。

 民間バス(珠洲⇔金沢・輪島⇔金沢)実現への手伝い。主に輪島ルート担当。

 

【今後の活動方針】

これからは、避難所から仮設住宅への移動がはじまります。輪島市から離れていく人も増えてきます。

ライフライン復旧後、輪島に戻ってきてもらうには、コミュニティをどう継続していくか・・・

被災者の心のケアをどう行っていくか・・・これからの課題です。

東日本大震災で復興活動をしている先人の知恵を拝借しながら被災者によりそった支援を続けてまいります。

復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。

お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店

 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

(クレジットカード)https://square.link/u/wpeWISAS

NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 

理事長 佐藤克己

 

海面が隆起した海、ここは全部海底でした。
七輪の写真

「月一居酒屋」次回は6月15日

赤提灯

 

深見荘(石川県輪島市深見町60-61)で、月に一度(不定期)交流会を開催しています!
ビュッフェ形式のホームパーティです。
気軽に誰でも参加していただきたいと思い、テーマは赤ちょうちんの居酒屋。
名付けて「月一居酒屋」です。

料理は、その季節の一番旬なものを使った家庭料理です。
メニューは当日にならないとわかりません。

紡ぎ組をよく知らない人でも誰でも参加できます。
ご家族やお友達、職場の同僚など、一緒にお越しください。

おひとりで参加される人も多いです。
参加者同士で仲良くなるので、おひとりでも安心してどうぞ!!

次回開催は、6月15日(金)19時スタートです。
自由に出入りできますので、お時間が空いたらお越しください。
お申し込みは、こちらまで。
電話 0768-23-4535
メール post@tsumugigumi.org
Facebook 「紡ぎ組」のイベントからもお申込みいただけます。
https://www.facebook.com/events/218629482075421/

スタッフ一同お待ちしております!

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