能登半島地震活動報告(2024年3月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から3か月が経ちました。輪島の街並みは先月ご報告した状態からほとんど変わりません。道路はだいぶ補修されましたがまだ一部の通行止めは続いています。倒壊家屋はほぼ解体されず残ったままです。断水もまだ続いており、断水が解消するまで自宅に帰れない人がたくさんいます。

静かすぎる被災地~止まってしまった時間

元日に起こった地震ですが、もう桜が咲く季節になりました。日差しも暖かくなり、日本海の海も穏やかな日が増えてきています。今までの災害経験者の話を聞くと、震災後3か月ともなれば、土日関係なく、至る所で工事の音が鳴り響き、ボランティアさんで町が溢れかえっていたそうです。ところが今の輪島は驚くほど静かです。理由は色々あるのでしょう。いまだに断水が続いていて住民の多くが避難所から戻れないこと。住民がいないからボランティアも受け入れられないこと。ボランティアや工事現場の人の宿営所建設がなぜか一向に進まないこと・・・。こんな状況では、倒壊家屋の解体だけでも何年もかかります。解体撤去できない間は初めの一歩さえも歩みだすことができません。被災地は時間が止まったように静かです。

【紡ぎ組の発災から3か月で感じること】

◆輪島朝市の復活???

輪島朝市の一部の店舗は、3月23日金沢で1日だけの営業を行いました。「輪島朝市復活か?」と思われるかもしれませんが、金沢で営業するということは輪島の復旧が進んでいないということです。そして、金沢の朝市が定番になれば輪島での再開が遅れると言う事です。私たちは輪島で復興食堂として再スタートしたいという思いから、金沢での朝市には参加していません。

◆役割を果たせているか。

 市役所の職員は市民の声を聞き、県や国に市民の状況を伝え要望をする役割です。しかし県が決めたことを市民に説明することはあっても、市民の声を県に伝えることは少ないと感じます。私たちの要望は、面倒なことと捉えられます。

県や国は被災地を知ることはできません。被災地の状況や被災者の要望を市が県に伝えなければ、被災者は取り残されるだけです。今、取り残されていると多くの被災者は感じています。そして議員は、声をあげられない被災者の声を拾う役割です。多くの被災者は高齢であり、声を上げることもできません。声なき声を拾い、執念深く市に訴えなければ行政は動きません。それぞれの役割をキチンと果たせばきっといい方向に復興するはずです!

◆炊き出しの転換点

 炊き出しは、発災当初、命をつなぐ段階では大変重要な支援です。輪島市内にも多くのボランティアの方が炊き出しをしてくださいました。本当に助かりました。1か月過ぎた頃から市内のスーパーは再開し自分で食料を購入することができるようになりました。もう炊き出しが必要なステージは終わったと感じています。(一部の地域はまだまだ買い物が困難なところがあります)飲食店も徐々に再開をしています。無料の炊き出しは飲食店の経営を阻害します。そろそろ経済活動を始める時期かな・・・と思っています。

【紡ぎ組の3月の活動】

◆復興食堂第一弾 ペンションかもめさんをお借りしてのラーメン販売

 大阪深江橋のラーメン店「麺匠輪」さんが輪島に来てくださり、3月21,22日の2日間、ラーメンを提供してくださいました。2日間で200名ほどのお客様にお来店いただき、みなさまに大変喜ばれました。売上げの一部を輪島の復興資金として寄付していただきました。今後も継続的にラーメンの販売をしてくださいます。

◆ボランティアの受入

 二次避難所にいて現地から離れていると、ボランティアの受入ができず、復旧が遅れてしまいます。私たちは定期的に二次避難所から現地に移動し、ボランティアの受け入れをしています。町民のニーズを受入、ボランティアとマッチングする活動もしています。ボランティア保険の入会サポートもしています。

◆重機免許の取得

 山は崩れ、木は倒れ、家は倒壊しています。片付けをするためには油圧ショベルなど重機の力が必要です。重機を操作できるよう、2名免許を取得しました。これで重機が手に入れば作業効率が抜群にアップします。

◆深見町仮設村の設置

 深見町内に応急仮設住宅を建設するため、輪島市に要望を出していますが、まだ受け入れられず、市が建設をする気配はありません。とりいそぎ深見町の旧深見小学校校庭にインスタントハウスを建てましたが、まだ断水中でトイレもシャワーもなく、長期滞在できる状態にはなっていません。TEAMJAPAN様から仮設トイレを貸していただけることになり数日の滞在が可能になりました。TEAMJAPAN様ありがとうございました!

◆山の状態調査

 この震災で、山が崩れ、地滑りをおこしました。割れた道路や畑は日に日に段差ができたり広がっていったり、震災後も状態が悪くなっています。そこで山の状態を石川県に調査依頼し対策をとってもらいました。地滑りは地下に水がたまることで発生しやすくなります。ライナーと呼ばれる水抜き装置の点検修理や、地すべり観測計器の設置など、地すべり対策をとってもらいます。

◆4月7日 深見町復興まつり春の宴(お花見の会)の準備

 孤立地帯となり自衛隊のヘリで深見町全員が救助されてから3か月。まだ一度も自宅に帰れない方もたくさんいます。花見のシーズンと重なったこともあり、旧深見小学校でお花見の会をやることにしました。貸し切りバスをチャーターし、二次避難所の粟津温泉から町民全員で深見町に日帰りで戻ります。お世話になっている粟津温泉の住民の方々も参加していただきます。この日一日戻るだけで、まだまだ二次避難生活は続きます。

【今後の活動方針】

・まだ不定期ですが、復興食堂を継続いたします。

・解体業者さんの宿営所を作ります。宿営所を設営しなくては、解体作業が進みません。

・4月7日に深見町の町民みんなでお花見会します。輪島市外の人も参加して賑やかな一日にします。

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復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

(クレジットカード)https://square.link/u/wpeWISAS

NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己

 

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