能登半島地震活動報告(2024年2月)

能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!

発災から2か月が経ちました。輪島の街並みは道路上の瓦礫は撤去され始めているものの、倒壊家屋はそのまま、道路も緊急補修されただけの状況で、一般の人が輪島市内に入るのは危険な状況が続いています。断水もまだ続いており、東京水道局の作業員の方々が多数入り復旧作業を続けてくださっています。つまり1か月前にご報告した状況とあまり変わっていません。私達が運営していた輪島朝市横丁も全焼したまま何も手を付けられない状態です。朝市に関してはまだまだ時間がかかります。他の場所で復興食堂など何かできないか模索中です。

【紡ぎ組の発災から2か月で感じること】

◆輪島市深見町の復興計画を考えるにあたって

 深見町は町ごと自衛隊のヘリで救助され、今は粟津温泉にほぼ全員約100名二次避難しています。深見町の独自の復興計画を町民全員で考えています。

 どのように復興すべきか、日々考える中で、以下のように意識が変わっていきました。

第一段階は、行政依存の考え。行政(輪島市)がしてくれるのをじっと待つ姿勢です。私達深見町はこの意識はかなり早い時期に捨てました。発災直後輪島市は何もできず、ヘリに救助を決めたのは町民自身だからです。その結果、誰一人ケガも病気もせず、二次避難所に避難できました。

第二段階は、行政を動かす方法です。行政ができないなら、町民が行政に提案をして行政を動かそうという姿勢です。復興計画書を書いて行政に提出しましたが、手が回らないから今は何もできないという回答しかありません。

第三段階は、行政をあてにせず、自分たちで解決することです。自助共助公助とよく言いますが、公助から共助に舵を切ったわけです。行政をあてにせず自分たちの力で、復興していこうという考えです。しかしこれには大変な予算がかかります。土砂崩れの土砂を撤去するには重機が必要です。仮設住宅を設置するにも毎月のリース料がかかります。断水しているので山の水を活用するにしても、大きなタンクやホースなど部材が必要です。多くの方からご寄付という形で支援をいただいており、それを大切に活用させていただいております。また、2時間で建築できるインスタントハウスをご提供くださった名古屋工業大学の北川教授、雨水タンクをご提供くださった株式会社日盛興産様、色々な方から現物もご支援いただいております。皆様のお力添えのおかげで自分たちの力で復興できる希望が見えてきています。

【紡ぎ組の2月の活動】

◆石川県漁協買参権の権利移動の依頼

 被災した奥能登地区の港は、港の隆起などで競りが行えなくなりました。今は、水揚した魚は全て金沢港に運び金沢港で競りが行われています。買参権は港毎に設定されている為、他の港で競りに参加することができません。石川県漁協に買参権の移転ができるよう提言し移転ができるようになりました。これにより奥能登の仲買人さんが石川県内の他の港での競りに参加できるようになり、なりわいを作ることができました。

◆二次避難所でのコミュニティ形成。

 発災から2か月以上が経ち、みなさん不安な気持ちになってきています。いつになったら自宅に帰れるのか、二次避難所を追い出されたらどこに行けばいいのか、知らない土地に一人で行きたくないなど・・・。一人で思い詰めているとどんどん不安ばかりが募ってしまいます。そこで、避難している人みんなで顔を合わせて話をすることがとても大切です。避難先の集会所を被災者に開放して欲しいと各方面から依頼していますが、まだ利用許可がおりません。更に必要性を訴え開放してもらえるよう依頼を続けます。

◆炊き出し支援

 行きやすいところには毎日のように炊き出しが行われますが、声を出せない地域は取り残され、ずっと自力で食事を賄っています。水がないので、毎日水を汲み、冷たい水で洗濯したり食事の用意をしたり、洗い物をしたり・・・2か月以上も続くとさすがに疲弊します。そんな場所に炊き出しを行っています。

◆視察のアテンド

 衆議院災害対策特別委員会与党筆頭理事を能登全域の視察にアテンドしました。〇七尾市内の商店街視察と県議からのヒアリング〇輪島市門前町の商店街の視察と農家や事業者からのヒアリング〇輪島市黒島地区、鹿磯漁港視察〇輪島港にて海士町の漁師や海女さんからヒアリング・視察〇輪島の炊き出し拠点にて、若手リーダーからヒアリング〇輪島市深見町の集会所にて懇談〇珠洲市蛸島港にて、定置網漁師からヒアリング〇蛸島町の視察〇珠洲市蛸島にて、日本財団災害対策チームからヒアリング〇珠洲市寺家の珠洲神社にて、神主からヒアリング〇のと里山空港にて、所長から飯場建設予定地について説明を受ける。

【今後の活動方針】

まずは、深見町の人が仮住まいできる場所を町民と共につくり、二次避難所から深見町に戻る活動をします。また上記に示した通り、発災から2か月たった今でも復興どころか復旧すらも進んでいない状況です。進まない原因の一つとして、支援者支援ができていないという点があります。作業員やボランティアの方の宿営所がない、食事をするところがない等です。今後は輪島市内に宿営所を作り、食事の提供までできるよう準備を進めていきます。3月21,22日は、大阪のラーメン店「麺匠輪」さんと一緒にラーメンの炊き出しを輪島市内で行います。皆様のお越しをお待ちしています。

 

復興には大変長い時間がかかります。長期的な支援を心よりお願いいたします。

お友達やお知り合いの方にも広げていただけると大変たすかります。

【寄付はこちら】100円から寄付できます。

(銀行振込)ゆうちょ銀行 三一八店

 普通 1024277 トクヒ)ツムギグミ

(クレジットカード)https://square.link/u/wpeWISAS

NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61)

                 理事長 佐藤克己

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