能登半島地震の復興にご支援いただきありがとうございます!
発災から4か月が経ちました。輪島の街並みは相変わらず震災直後から変化はありません。倒壊家屋はほぼ解体されず残ったままです。断水もまだ続いており、断水が解消するまで自宅に帰れない人がたくさんいます。
決して終わっていない被災地~復旧どころか緩やかに被災はすすむ
4か月が経ち、報道も少なくなりました。県外では、ほぼ報道されていないのではないでしょうか。よく聞くのは、「能登は復旧したのだと思ってた」という声。復旧はまったく進んでいません。逆に、解体されずに残っている家がある日突然倒壊したり、ひびが入った道路に雨水が浸透し、更に崩れていったり等、未だに緩やかに被災している状況です。高いビルが日々斜めに傾いていく隣を普通に車は通行しています。倒れたら大きな被害になります。なぜそんな危ない場所を放置しているのか、疑問です。
【発災から4か月の状況】
◆コミュニティの形
震災前のように町民が全員同じ町で暮らせることが一番いい事ですが、それは今はかないません。バラバラの町に住むことで、縁遠くなってしまうのはあまりにも寂しすぎます。住まい以外の形でコミュニティを継続する方法を考え、今は深見町になりわいを作るべく動いています。まずは食堂。町の人が作った野菜や、海でとった魚や海藻などで食事をつくり提供します。しばらく深見町に住めなくても、深見町に職場をつくれば、コミュニティは継続できます。
◆住む場所は住民の権利でもあり悩みでもある。
震災後、被災者は住む場所を点々とすることになります。多くの人は、
- 一時避難所(近隣の集会所や小学校など)
- 5次避難所(金沢のスポーツセンター。健康に不安のある方は医療体制の整った1.5次で、それ以外の人は二次避難所に振り分けられる)
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- 二次避難所(県内外のホテルや旅館)もしくは、みなし仮設(全国の賃貸住宅や公営住宅)
- 応急仮設住宅(プレハブ型のものが多い)
- 恒久住宅(恒久的に住むための自宅や賃貸、公営住宅など) という流れになります。
今は、各地の小学校や駐車場など広い土地に次々と応急仮設住宅の建設が進んでいます。いわゆるプレハブ住宅です。この応急仮設住宅には長くても2年間しか住めません。2年の間に恒久的に住むための家を決めなければいけません。ではどんな住宅がいいのか・・・。
- 自宅を修理する。2.自宅を解体して新たに家を建てる。3.災害公営住宅に住む。4.民間の賃貸住宅や親族の家に住む。など・・・
高齢者で子供達も戻らないという家庭は、あと10~20年住むための家があればいいわけです。その家のために高額な出費はできません。つまりは「いくらかかるのか」ということが一番の判断材料になります。
その判断だと、災害公営住宅に住むのが一番いいと言う事になります。災害公営住宅は、被災地に建てる公営住宅であり、毎月比較的安い賃料を払って住むことができます。では、どこに災害公営住宅が建てられるのか・・・ということが次に問題になってきます。住民側とすれば、もちろん自分の自宅に近い場所が一番いいはずです。せめて地区の中に作って欲しいと考えます。しかし、住宅を建てる行政からすれば、各地区に点々と公営住宅を建てるより、一つの地区にまとめて作った方が建設効率も良く、建設後の管理もしやすくなります。そこで、住民と行政とのギャップが出るわけですが、住民の声をきちんと聞いて住民が今後幸せに暮らせる住まいを作れるかどうかは市長の姿勢によります。すべてが市長の判断です。
【紡ぎ組4月の活動】
◆4月7日 深見町復興まつり春の宴(お花見の会)開催
大変天候に恵まれ、復興まつりが盛大に開催されました。深見町町民が二次避難している粟津温泉からは貸し切りバスを運行。日頃お世話になっている粟津温泉近隣の方々にもご参加いただきました。金沢の「ととのや」さんや「ごりんのりんご飴」さん、「かなざわオープンキッチン」さん、大阪の「麺匠輪」さんも遠くからお越しいただき出店して賑わいをつくっていただきました。
◆東京の職人さんに緊急修理をしていただきました。
町ごと一斉避難した深見町は断水解消まで自宅に戻ることができず、屋根などの緊急修理さえできていない状況でした。被災地では職人の手が足りない為、東京から職人を呼び、町内の緊急修理を一気に行いました。
◆復興食堂をプレオープン
ゴールデンウィーク中の4月28日~5月5日は、旧深見小学校にて復興食堂をプレオープンしました。
まだ住民が戻ってきていない状況ですが、戻ってきてから何か始めるのではなく、町内に生業(なりわい)をつくることが先ではないかと考えたからです。お客様の数は決して多くはありませんでしたが、仕事の方もボランティアの方も移住してこられた方も来て色々お話ができました。また町民の人たちも自然に集まって店舗の手伝いをしてくれたり、終了後大宴会になったり・・と今までにない楽しい場となったことが最大の成果だったと感じています。
◆インスタントハウスがキャンバスに
富山や福井の大学生がインスタントハウスに絵を描いてくれました。明るい夢のある絵になりました!これからも色々な人たちに絵を描いてもらう予定です。
【ご寄付をいただきました】
シロカ株式会社様より電化製品を、SAVE IWATE復興ぞうきんチームの方に保温ジャーをいただきました。復興食堂や仮設村の整備に使わせていただきます。また粟津町会館の館長様よりコーヒーメーカーもいただきました。ありがとうございました!
【今後の活動方針】
・6月1日から5日間、大阪の「麺匠輪」さんが旧深見小学校にて出店してくれます!詳細は深見町復興協議会のインスタや、紡ぎ組のFBなどでご案内いたします。復興食堂も不定期ですが継続いたします。
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NPO法人紡ぎ組(輪島市深見町60-61) 理事長 佐藤克己
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